Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Mattan, K.*; 小野 俊雄*; 河村 聖子; 中島 健次; 南部 雄亮*; 佐藤 卓*
Physical Review B, 105(13), p.134403_1 - 134403_8, 2022/04
被引用回数:3 パーセンタイル:45.85(Materials Science, Multidisciplinary)スピン1/2のカゴメ格子反強磁性体CsCuSnFの磁気励起について、高分解能飛行時間法中性子非弾性散乱実験によって調べた。フラストレートしたカゴメ格子反強磁性体に特徴的な平坦なモードや低エネルギー側の強い分散を持つモードは線形スピン波理論で記述できる。しかし、一方で、9-14meVの領域にある分散を持つ強度の弱い3つのモードについてはそれが破綻する。この3つのモードについては、ゾーン中心から離れるか温度を上げるかすると自由スピノンに崩壊して連続励起になる2スピノン束縛状態と思われる。
武田 全康
ぶんせき, 2021(11), p.611 - 615, 2021/11
東日本大震災の影響で10年にわたり運転を休止していた研究用原子炉JRR-3が2021年2月に運転再開したことにより、大強度陽子加速器実験施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設(MLF)の大強度パルス中性子源と大強度定常中性子源(研究炉)の両方を利用することのできる中性子科学推進の場が茨城県東海村の日本原子力研究開発機構原子力科学研究所の敷地内に実現した。本解説では、それらの施設の特徴とそこに設置されている装置群を紹介する。
Wu, P.*; Fan, F.-R.*; 萩原 雅人*; 古府 麻衣子; Peng, K.*; 石川 喜久*; Lee, S.*; 本田 孝志*; 米村 雅雄*; 池田 一貴*; et al.
New Journal of Physics (Internet), 22(8), p.083083_1 - 083083_9, 2020/08
被引用回数:9 パーセンタイル:57.85(Physics, Multidisciplinary)熱電材料SnSeは、過去数年間で世界的な関心を呼び、その固有の強い格子非調和性は、その優れた熱電性能の重要な要素と見なされている。一方、SnSeにおける格子非調和性の理解は、特にフォノンダイナミクスがこの動作によってどのように影響を受けるかに関して、依然として不十分である。そのため、中性子全散乱,非弾性中性子散乱,ラマン分光法、および凍結フォノン計算により、NaSnSeSの格子力学の包括的な研究を行った。格子非調和性は、対分布関数,非弾性中性子散乱、およびラマン測定によって確かめられた。熱膨張と多重フォノン散乱の影響を分離することにより、後者は高エネルギー光学フォノンモードで非常に重要であることがわかった。フォノンモードの強い温度依存性は、この系の非調和性を示している。さらに、我々のデータは、Sドーピングにより、高エネルギー光学フォノンの線幅が広がることを明らかにした。私たちの研究は、SnSeの熱電性能は、フォノンエンジニアリングを介して格子熱伝導率への高エネルギー光学フォノンモードの寄与を減らすことによってさらに強化できることを示唆する。
飯田 一樹*; 吉田 紘行*; 中尾 朗子*; Jeschke, H. O.*; Iqbal, Y.*; 中島 健次; 河村 聖子; 宗像 孝司*; 稲村 泰弘; 村井 直樹; et al.
Physical Review B, 101(22), p.220408_1 - 220408_6, 2020/06
被引用回数:22 パーセンタイル:80.82(Materials Science, Multidisciplinary)鉱物センテニアライトCaCu(OD)Cl 0.6DOの結晶構造と磁気構造をシンクロトロンX線回折と中性子回折測定に密度汎関数理論(DFT)と疑似フェルミオン汎関数繰り込み群(PFFRG)の計算を組み合わせることで調べた。CaCu(OD)Cl 0.6DOではCuイオンは反強磁性と幾何学的に完全なカゴメネットワークを形成する。CuとCaイオン間のサイト間無秩序は見つからなかった。CaCu(OD)Cl 0.6DOは=7.2K以下で磁気秩序を示し、負のベクトルスピンキラリティーを持つ=0の磁気構造が現れる。0.3Kでの秩序モーメントは0.58(2)Bに抑えられている。我々のDFT計算では、この系が量子臨界点の近くにあり、--カゴメ反強磁性体の優れた実現であることを示唆している。
大井 元貴
四季, 43, P. 3, 2019/06
J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)では、減速材集合体の放射能低減のための低放射化中性子吸収材として、Au-In-Cd合金の開発を行い、反射体および減速材2号機において実用化した。合金中のインジウムの分布を確認する手法として、パルス中性子イメージングの手法を採用し、インジウムの共鳴ピークに焦点を当てることにより、個別の元素分布を非破壊で測定し、合金が均一であることを確認した。
杉山 正明*; 中川 洋; 井上 倫太郎*; 川北 至信
JAEA-Review 2017-024, 40 Pages, 2017/12
現在、我が国ではJ-PARC・JRR-3等の高強度高品質の中性子源が整備され中性子線を用いた生命科学研究の推進が強く望まれている。そこで、我が国中性子生物学の発展に寄与することを目指して2017年3月22日23日国際Workshop「Neutron biology for next generation」がJ-PARCワークショップとして開催された。このWorkshopには日本国内の中性子分光器の装置研究者及び中性子散乱を精力的に利用している国内外の生命科学者が集まり、上記テーマについて装置・実験手法、最新の研究成果及びその動向について多方面より議論した。本レポートはオーガナイザーによるWorkshopの報告である。
中島 健次; 川北 至信; 伊藤 晋一*; 阿部 淳*; 相澤 一也; 青木 裕之; 遠藤 仁*; 藤田 全基*; 舟越 賢一*; Gong, W.*; et al.
Quantum Beam Science (Internet), 1(3), p.9_1 - 9_59, 2017/12
J-PARC物質・生命科学実験施設の中性子実験装置についてのレビューである。物質・生命科学実験施設には23の中性子ビームポートがあり21台の装置が設置されている。それらは、J-PARCの高性能な中性子源と最新の技術を組み合わせた世界屈指の実験装置群である。このレビューでは、装置性能や典型的な成果等について概観する。
坂佐井 馨; 佐藤 節夫*; 瀬谷 智洋*; 中村 龍也; 藤 健太郎; 山岸 秀志*; 曽山 和彦; 山崎 大; 丸山 龍治; 奥 隆之; et al.
Quantum Beam Science (Internet), 1(2), p.10_1 - 10_35, 2017/09
J-PARC物質・生命科学実験施設では、中性子検出器、スーパーミラーやHeスピンフィルターなどの光学機器、及びチョッパー等の中性子デバイスが開発され、据え付けられている。また、計算環境として機器制御、データ取得、データ解析、及びデータベースの4つのコンポーネントが整備されている。また、物質・生命科学実験施設では実験に使用される様々な試料環境が利用可能である。本論文では、これらの現状について報告する。
麻生 智一; 勅使河原 誠; 長谷川 勝一; 青柳 克弘*; 武藤 秀生*; 野村 一隆*; 高田 弘; 池田 裕二郎
JAEA-Technology 2017-021, 75 Pages, 2017/08
大強度陽子加速器施設(J-PARC)物質・生命科学実験施設の核破砕中性子源では、冷中性子用減速材として液体水素を用いている。2015年1月頃から液体水素を生成するヘリウム冷凍機において、熱交換器及び80 K活性炭吸着器(ADS)の差圧が上昇する事象が現れ始め、2015年11月には冷却性能の低下を引き起こすまでに進展した。この不具合の原因を究明するために冷凍機内の目視確認や循環ヘリウム中の不純物分析を行った。原因となる不純物は検出できなかったが、配管内にわずかに油の痕跡があった。他施設の同規模の冷凍能力を持つ冷凍機の不具合事例も参考にして、熱交換器の洗浄やADSの交換を行った結果、冷却性能は回復した。熱交換器を洗浄した液やADSの活性炭とそれを抑えるためのフェルトから油を検出した。特にADSのフェルトではヘリウムガス入口表面に膜状の油の蓄積が確認できた。ヘリウムガス中に含まれる油分は設計範囲の10ppb程度であったが、長期間の運転の結果、ADSのフェルト部への蓄積により差圧を発生させ、それが性能劣化をもたらした可能性があると推測している。今後さらに調査を進め、原因をより明確にする必要がある。
瀬戸 秀紀; 伊藤 晋一; 横尾 哲也*; 遠藤 仁*; 中島 健次; 柴田 薫; 梶本 亮一; 河村 聖子; 中村 充孝; 川北 至信; et al.
Biochimica et Biophysica Acta; General Subjects, 1861(1), p.3651 - 3660, 2017/01
被引用回数:32 パーセンタイル:80.4(Biochemistry & Molecular Biology)1MWクラスのパルス中性子源であるJ-PARCの物質・生命科学実験施設には、23の中性子ビームラインがあり、21台の装置が稼働、建設中である。このうち6台は中性子非弾性、及び、準弾性実験のための装置であり、生命科学研究に大いに寄与するものである。
Oh, J.*; Le, M. D.*; Nahm, H.-H.*; Sim, H.*; Jeong, J.*; Perring, T. G.*; Woo, H.*; 中島 健次; 河村 聖子; Yamani, Z.*; et al.
Nature Communications (Internet), 7, p.13146_1 - 13146_6, 2016/10
被引用回数:57 パーセンタイル:86.72(Multidisciplinary Sciences)(Y,Lu)MnOにおいて、磁気励起とフォノンが結合する磁気弾性励起を中性子散乱により観測し、その量子的振る舞いを調べた。
松尾 龍人; 荒田 敏昭*; 小田 俊郎*; 中島 健次; 河村 聖子; 菊地 龍弥; 藤原 悟
Biochemistry and Biophysics Reports (Internet), 6, p.220 - 225, 2016/07
Hydration water is essential for a protein to perform its biological function properly. In this study, the dynamics of hydration water around F-actin and myosin subfragment-1 (S1), which are the partner proteins playing a major role in various cellular functions related to cell motility, was characterized by incoherent quasielastic neutron scattering (QENS). The QENS spectra of hydration water around F-actin and S1 provided the translational diffusion coefficient, the residence time, and the rotational correlation time. The differences in these parameters indicate a significant difference in mobility of the hydration water between S1 and F-actin: S1 has the typical hydration water, the mobility of which is reduced compared with that of bulk water, while F-actin has the unique hydration water, the mobility of which is close to that of bulk water rather than the typical hydration water around proteins.
左右田 稔*; 本間 勇紀*; 高見澤 聡*; 河村 聖子; 中島 健次; 益田 隆嗣*
Journal of the Physical Society of Japan, 85(3), p.034717_1 - 034717_9, 2016/03
被引用回数:1 パーセンタイル:11.35(Physics, Multidisciplinary)ナノポーラス金属化合物Cu--1,4-cyclohexanedicarboxylic acid (Cu-CHD)に吸着させた酸素分子について、この系で実現している酸素分子磁石の様相を探るため中性子非弾性散乱実験を行った。その結果、これまで得られている磁化曲線等を説明可能な微視的パラメーターを得ることができた。
大井 元貴; 酒井 健二; 渡辺 聡彦; 圷 敦; 明午 伸一郎; 高田 弘
JPS Conference Proceedings (Internet), 8, p.036007_1 - 036007_5, 2015/09
J-PARC物質生命科学実験施設(MLF)では、PLC,操作端末(OPI),インターロックシステム,サーバー等で構成されるMLF統括制御システム(MLF-GCS)によって、MLFを構成する様々な機器を統括制御しているが、OPIに使用しているSCADAソフト(iFiX)のOS依存性やバージョン互換性に欠点があった。そこで、これらの問題を解決するため、EPICSをベースに使用したシステムへ更新した。OPIにはControl System Studioを採用し、データベースにPostgreSQLを採用した。新システムは2014年1月から既存のMLF統括制御システムに接続し運用を開始した。7月まで施設運転に供しながら不具合の修正を行い、特に問題なく動作することを確認した。本件では、約7000点のデータと130画面を有する新システムおよびその性能について報告する。
山田 悟史*; 武田 全康; 山崎 大
波紋, 24(4), p.288 - 295, 2014/11
中性子反射率計は複合高分子界面構造や水面の高分子膜の形態観察、またトンネル磁気抵抗素子等をはじめとする磁性多層膜の界面磁気構造観察など、特にソフトマターの分野において他の方法では決して行うことのできない、ユニークかつインパクトの大きな成果を生み出してきた。しかしながら過去において日本での実験環境は恵まれているとは言い難く、KENSやJRR-3といった既存の施設における中性子反射装置では数インチの大きな基板に作製した試料と、数時間数十時間オーダーの測定時間が必要であった。また、測定可能なダイナミックレンジも5桁程度で、測定時間と共に海外の装置と比較して大きく見劣りするスペックであった。ところが、この状況はJ-PARCの登場により一変した。本稿が、J-PARCに設置された2台の中性子反射率計SOFIAと写楽(SHARAKU)について紹介し、反射率計の利用を検討している研究者の一助となれば幸いである。
日野 竜太郎; 横溝 英明; 山崎 良成; 長谷川 和男; 鈴木 寛光; 曽山 和彦; 林 眞琴*; 羽賀 勝洋; 神永 雅紀; 数土 幸夫*; et al.
日本機械学会誌, 107(1032), p.851 - 882, 2004/11
中性子は物質科学,生命科学等の先端的科学研究を推進するうえで不可欠であり、より大強度の中性子源が強く要望されている。この要望に応えるため、日米欧においてMW級陽子ビームによる核破砕反応を利用した新しい中性子源の開発・建設が進められている。我が国では、日本原子力研究所と高エネルギー加速器研究機構が共同で核破砕中性子源の建設を中核とした大強度陽子加速器計画を進めている。本計画における核破砕中性子源は既存の研究炉(JRR-3)よりも中性子強度が2桁以上高い性能を有しており、先端的科学研究を推進するとともに、中性子利用による新産業創出に貢献することを目的としている。本小特集号では、大強度陽子加速器計画の核破砕中性子源において、何ができるのか,何に使えるのか,何がわかるのか,何に役立つのかを具体的に示し、核破砕中性子源の設計・開発・製作状況を液体重金属技術等の基盤技術とともに紹介する。併せて、世界最高強度・性能の陽子加速器システム及び大強度中性子の利用系における新技術・知見を紹介する。
前迫 浩*; 鈴木 喜雄; 青柳 哲雄; 中島 憲宏
FUJITSU, 55(2), p.109 - 115, 2004/03
ITBL(Information Technology Based Laboratory)プロジェクトは、e-Japan重点計画の一つとして、6つの研究機関が主体となり推進されている。本プロジェクトの目的は、研究機関が固有に所持しているスーパーコンピュータ・プログラム・データなどの知的資源を共有化し、研究者間の共同研究を支援する仮想研究環境を構築することである。日本原子力研究所は、この仮想研究環境を実現しうるためのITBLシステム基盤ソフトウェアの開発を行っている。ITBLシステム基盤ソフトウェアは、スーパーコンピュータを接続するための認証機能や並列分散通信機能,それらを利用するためのジョブ実行支援機能,研究者のコミュニケーションを支援するコミュニティ機能などを提供する。ここでは、ITBLシステム基盤ソフトウェアの紹介のほか、アプリケーションとして開発している量子生命情報システム,数値環境システムについても紹介する。
池田 裕二郎
Proceedings of ICANS-XVI, Volume 1, p.13 - 24, 2003/07
原研とKEKが共同で進めている大強度陽子加速器プロジェクト(J-PARC)の、物質・生命科学実験施設の中心施設となる1MWパルス核破砕中性子源施設(JSNS)の建設の現状,主要機器の設計,今後のスケジュール等概観する。
由良 敬
プロテオミクスの最新技術, p.93 - 101, 2002/11
ゲノム配列の決定は生物学に大きな影響をもたらす。ゲノム配列とはそのゲノムをもつ生物種の設計図であり、ゲノム配列を解読することで、その生物がどのようにして構成されているのかが理解できるからである。1995年にHaemophilus influenzaeの全ゲノムがはじめて決定された時点で、生物学者が直面した問題は、ゲノム配列がわかっても、残念ながらその中に何が書かれているのかがわからないということであった。それまでの遺伝学及び生化学の知見では、理解できない情報が厖大に存在する。これらの情報を従来と同じ遺伝学及び生化学の手法のみで解析していくのは不可能に近い。そこで脚光を浴びるようになったのが生命情報学である。本章では生命情報学の現状と未来を解説する。
鈴土 知明
統計数理研究所共同研究リポート138, p.19 - 24, 2001/03
原子力プラント等の大規模システムの制御に人工知能技術の応用が研究されはじめて久しいが、それらは従来の計測制御系の延長であり、運転員と同等な能力を有した人工知能の開発を目的にしたものではない。この理由はこれまでの人工知能が結局は人間の命令によって動作するものであり、独立または自発的な存在ではないからである。本研究は、自発的な行動ができる人工知能の開発を目的とした一連のセルオートマトン研究の1つであり、本報告では特に、「記憶」能力に必要であると考えられるセルパターンの結晶化がどのようなセルオートマトンについて共通して起きるかを考察した。また、人工知能の多機能性に関連して、わずかなルール変化で自己組織化パターンをさまざまに変化させるセルオートマトンを考案した。